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【実務者向け】2液混合ディスペンサー選定で知っておくべき法規制と安全規格

エポキシ樹脂やウレタン材など複数の液剤・液体を使用する2液混合ディスペンサーを導入する際、生産量や塗布精度といった機能だけでなく、そもそも適切な安全規格や法規制に準拠しているかについて確認しなければ、導入後の重大事故や操業停止といった問題につながりかねません。

ここでは2液混合ディスペンサーの選定に不可欠な、安全規格や法規制ついての注意点などをまとめていますので参考にしてください。

目次

2液混合ディスペンサー導入時に直面する「法規制」の全体像

2液混合ディスペンサーの導入と適法性を検討する上で、注意すべきポイントとして複数のテーマを考えることが大切です。

2液混合ディスペンサーに関連した「法規制」や、それにもとづいた「安全規格」については、大きく以下の3点から考えていくことになります。

その上で、本記事では主に以下の規制や規格に関して2液混合ディスペンサーの適法性を考えていきます。

国内運用における重要規制:消防法と危険物規制への対応

日本国内で2液混合ディスペンサーを導入するにあたり、そもそもどのような薬剤や液剤を使用したいのか、それぞれの特性や安全性といった条件を考慮しておかなければなりません。具体的には、2液混合ディスペンサーでの使用を想定している液剤や薬剤、あるいやメンテナンスなどに使用する洗浄溶剤が「危険物」に該当するのか否かをチェックすることが不可欠です。

例えば主剤と硬化剤を混合して塗布する目的で2液混合ディスペンサーを使用する際に、主剤や硬化剤、あるいは洗浄溶剤が消防法上の「危険物(第4類引火性液体など)」に該当しているような場合、それぞれの保管や運搬などの取り扱いについても消防法による規制を受けることになります。

ディスペンサー周辺設備と保管量(指定数量)の制限

まず、消防法で定める危険物については、保管や運搬にあたって対象ごとに適正な数量(指定数量)が法的に設定されています。つまり2液混合ディスペンサーを使用する上で機器のタンクへ危険物を注入する際や、作業場内で危険物を準備したりする際にも、それらの指定数量の範囲を超えて作業することはできません。

また、2液混合ディスペンサーを使用する上で引火・爆発といった事故が発生しないように安全なシステムを選定すると共に、危険物の運搬や移送に際しても爆発事故や労働災害のリスクを抑えられるよう十分なスペースを確保するなど、消防法に加えて労働安全衛生法の観点からも適切な環境構築が必要です。

防油堤や換気設備などの設置

危険物に該当する液剤(液状危険物)などを屋外タンクで保管する場合、万一タンク内の危険物が漏出しても、それがタンク外に流出しないよう「防油堤」を設置することが必要です。防油堤は鉄筋コンクリート構造で作られる他、防油堤の容量はタンク容量に対して計算されるなどサイズや面積などについても法的に条件が定められています。

また、危険物を2液混合ディスペンサーに注入して使用する場合などは、事業所に適切な換気設備や消防設備を設置するといったことも必須です。

SDS(安全データシート)をチェック

「SDS(安全データシート)」とは、化学物質や関連物質を取り扱う際に、その特性や取り扱い方法などに関して情報共有できるようにまとめられた文書資料です。主剤や硬化剤に化学物質などを利用したり、2液混合ディスペンサーを導入したりする場合、使用する液剤に関してメーカーから提供されるSDSを事前に確認し、どのような安全対策や法規制に従うべきかあらかじめ把握・準備しておくことが欠かせません。

危険な材料の取り扱いで必要な「防爆仕様」の検討

「防爆仕様」とは、文字通り爆発や火災などのリスクのある環境・条件に対して、適切な安全対策などが確保された構造や設計を意味します。

引火性のある有機溶剤や爆発性のある化学物質などを混合したり塗布したりする際、2液混合ディスペンサーについても適切な防爆仕様を備えていることが必要です。

爆破の原因や要因は様々であり、例えば引火性溶剤が揮発している中、そこに電気機器から発生した火花が接触したり、高温になった機器が触れたりすることで引火・爆発することもあるでしょう。そのため、防爆仕様の2液混合ディスペンサー導入を考える際には、作業環境(危険場所)そのものの安全管理と、2液混合ディスペンサーの機器の防爆構造の両面から考えることが大切です。

防爆構造の分類

危険場所で使用する電気機器の防爆構造としては、大きく分けて以下の3つパターンが存在します。

まず、電気火花や高温部といったリスクが危険物やガスに接触しないよう、物理的な隔離が必要です。またケーブルや電気配線についても確実なシーリングを施し、さらに損傷や経年劣化による影響を防げるように対策するなど、「本質安全防爆構造」を取り入れることも欠かせません。

加えて、液剤を充填したタンク内のガス圧や濃度を一定に維持することで危険物の気化を防ぐ「内圧防爆構造」や、万一のタンク内爆発においても容器が損傷せずに耐えうる「耐圧防爆構造」なども重要です。

危険場所のゾーニング

引火性のガスや蒸気の発生状況などによって危険場所は3種類に分類され、分類ごとに安全基準や換気度などの環境条件も異なります。そのため、2液混合ディスペンサーについてもどの分類に使用できる製品か確認しなければなりません。

参照元:経済産業省「プラント内における危険区域の精緻な設定方法に関するガイドライン(2020年1月)」【PDF】(https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/hipregas/files/20200121_1.pdf)

防爆仕様は製品単体でなく施設・設備を総合的に考える

防爆仕様については製品の構造や電気配線などの周辺設備、さらに作業空間の危険性などを総合的に勘案して検証することが必要です。そのため、防爆仕様が求められる条件においては、専門家に相談して2液混合ディスペンサーの導入を含めた防爆設計を作成するようにしてください。

グローバル展開・海外輸出に必要な安全規格:CEマークとUL規格・認証

日本国内の安全規格や危険対策が消防法などの法律で規制されているように、海外でも国や地域によって独自の法規制や安全基準などが設定されています。

CEマーク

「CEマーク」はヨーロッパ(EU)の領域内へ装置や製品を持ち込むにあたり、該当製品が安全基準を満たしていると示す証明マークです。当然ながらEU域内にある事業拠点で2液混合ディスペンサーを使用する場合、CEマークを取得した製品を選定しなければなりません。

UL規格

「UL規格」はアメリカの安全機関が策定している規格であり、適正な安全規格に準拠している製品に対してUL認証が認められます。サプライチェーンとして米国内の事業拠点で2液混合ディスペンサーを導入する際は、UL認証の有無をチェックすることが必要です。

その他の規格・認証

CEマークやUL認証の他にも欧州の防爆規格「ATEX指令」や米国のNFPA(米国火災安全基準)など、地域ごとに様々な規格や認証が存在します。そのため現在だけでなく将来的に海外へ拠点や工場を展開する可能性があれば、それらも含めて2液混合ディスペンサーの導入プランを検討しましょう。

装置自体の環境規制対応:RoHS指令・REACH規則

「RoHS指令」と「REACH規則」は、それぞれEUにおける化学物質に関連した法規制です。これらは環境保護の観点から定められた基準であり、EUへ2液混合ディスペンサーなどを持ち込む場合、各ルールに適合している必要があります。

RoHS指令(有害物質使用制限指令)

特定の化学物質を対象に規定濃度を設け、それ以上の混入や使用を禁じる法令です。2液混合ディスペンサーなどに関しても、RoHS指令に反しない設計や構造が必要です。

2液混合ディスペンサーの導入・輸出についてはメーカーへ「RoHS適合証明書」の発行可否を問い合わせてください。

REACH規則

REACH規則はEUにおける企業に対して、化学物質の製造や流通などについて適切な管理と情報開示を義務づける規制となります。そのため企業は対象の物質について自社の責任でリスク評価を行い、適正であるという結果を明示しなければなりません。

トラブルを防ぐ!2液混合ディスペンサー選定時のチェックリスト

【選定時のチェックリスト】

検討ステップ 確認すべき項目・法規制 具体的なアクション
液剤の確認 消防法(危険物該当性)、SDSの入手 主剤・硬化剤・洗浄液の引火点、指定数量の計算
設置環境の確認 労働安全衛生法(防爆エリア判定) 設置場所がゾーン何に該当するか、防爆検定品の要否
仕向地の確認 CEマーク(欧州)、UL(北米)、各国の防爆仕様 海外輸出の有無、現地規格への適合性確認
環境負荷の確認 RoHS指令、REACH規則 装置構成部品の適合証明書の確認

まとめ

2液混合ディスペンサーによっては電気制御システムを備えているものや、主剤や硬化剤に危険物を使用するものもあり、条件次第で防爆仕様や適切な安全設計が必要です。これらの安全基準は国内法や国際規格など様々な法令ごとに異なるため、適法かつ安全な状態で2液混合ディスペンサーを導入・運用するには、メーカーとしっかり連携し、導入計画を考える初期段階から専門家へ相談することが大切です。

THREE SELECTIONS
目的別で失敗なく選ぶ
2液混合ディスペンサー3選
比較表

液体の組み合わせによって必要なスペックが大きく異なる2液混合ディスペンサーだからこそ、使う目的によって装置を選ぶことが第一歩。
そのため、ここでは使用する環境や製造する製品から、適切な2液混合ディスペンサーをご紹介しています。

▼左右にスクロールできます。
電子部品など
正確な吐出が必要なら
エイ・エム・ケイ
大量生産品など
配合比がシンプルなら
ナカリキッドコントロール
分析機器など
微量吐出を重視するなら
日本ソセー工業
製品名
マゼダスDタイプ
マゼダスDタイプ
引用元:エイ・エム・ケイ公式HP
(https://www.amk-j.co.jp/mazedas/d-type/)

公式HPで
スペック詳細をみる

電話で問合せる

比率固定式HR-50
非固定式HR-50
引用元:ナカリキッドコントロール公式HP
(https://www.nlc-dis.co.jp/products/double/hr50.html)

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電話で問合せる

STP-150
STP-150
引用元:日本ソセー工業公式HP
(https://www.sosey.co.jp/product-list/supershot2/stp)

公式HPで
スペック詳細をみる

電話で問合せる

実績値:±0.1%
 (※吐出条件、樹脂仕様により要相談)
高精度
※詳細記載なし
保証値:±1%
100:100~100:1 100:100~100:4 記載なし
0.01ml/s~190ml/s 記載なし 0.0050ml/s~0.30ml/s
1~100,000mPa・s/25℃ 1~100,000 mPa・s/25℃ ~200,000mPa・s
0.007ml/shot(1秒)~無制限 2.5~294 ml/shot 記載なし
連続吐出/ワンショット吐出/定量吐出/繰返し吐出/他機連動吐出 間欠吐出 タイマー吐出/手動(連続)吐出
各15L・30L・50L・60L・
80L・100L・200L
※A液・B液タンクの組み合わせは自由
20Lオープンタンク
(ステンレス製)
4L耐圧ガラスタンク×2基
エポキシ
発泡ウレタン
ウレタン
シリコン
塗料
アクリル
発泡シリコン
インク他
一般的な樹脂からフィラーを含む樹脂
記載なし
ウレタン
エポキシ
シリコン
その他液体材料

エイ・エム・ケイの
公式HPで
吐出テストの相談をする

ナカリキッドコントロールの
公式HPで
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日本ソセー工業の
公式HPで
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【選定条件】
Googleで「混合吐出装置」と検索し(2024年5月16日調査時点)検索結果全ぺージに表示された公式HP14社、イプロスの「混合吐出機」ページ掲載企業の計18社を調査。
そのうち、2液混合ディスペンサーを扱う15社の中から、以下の条件で3製品を選定しています。
・マゼダスDタイプ…15社の製品のうち、吐出精度の保証値が±2~3%以内、実績値が±0.5%以内で最も高い2液混合ディスペンサー
・比率固定式HR-50…15社の製品のうち唯一、シンプルな構造により低価格化を実現と記載のある2液混合ディスペンサー
・STP-150…15社の製品のうち、吐出量が最も少ない2液混合ディスペンサー