電子機器や自動車部品、食品など、多様な分野で利用されている2液混合ディスペンサー。製品によって適切な用途が異なるため、導入する際は慎重に選ぶ必要があります。
このページでは、2液混合ディスペンサーの導入の流れについて詳しく解説しています。「何から手を付けたらよいか分からない…」とお悩みの方は参考にしてください。
まずは2液混合ディスペンサーの導入の有無を検討してみましょう。2液混合ディスペンサーは、2種類の液体(主剤と硬化剤)を吐出する装置です。接着剤やグリスの塗布、液体の充填などに用いられていますが、用途によって向き不向きが大きく分かれます。導入するか迷った際は、2液混合ディスペンサーが適切か検討し、場合によっては他の装置と比較してみましょう。
2液混合ディスペンサーの導入を決定したら、次は使用する液体の検討を始めましょう。2液混合ディスペンサーは主剤と硬化剤を撹拌・混合して吐出します。エポキシやアクリル、シリコンなど多様な液体に対応できますが、液体の組み合わせによって適切な製品が大きく変わります。そのため、使用したい液体の候補・組み合わせをしっかり決めておきましょう。
使用したい液体が決まったら、その液体を取り扱うメーカーへ相談してみるとよいでしょう。「こういう液体を混ぜたい」・「こんな用途でこの液体を使いたい」など、使いたい液体について相談すれば、メーカーが適切かどうか判断してくれます。また、目的・用途に合った液体の提案も受けられます。液体選びで迷った時は、検討の段階から相談してみるのもおすすめです。
液体メーカーから提案を受けたら、実際に液体を混ぜて検証してみましょう。手混ぜになってしまいますが、2液混合ディスペンサーで使用した際の状態を簡易的に評価できます。反対に十分な検証をしないまま導入を決めてはいけません。しっかり検証しないと、後で液体が使えない・混ざらないといったトラブルが起きるおそれがあります。
使用する液体を決めたら、2液混合ディスペンサーを取り扱うメーカーに相談しましょう。2液混合ディスペンサーは、製品によって対応している液体の種類が異なります。使用したい液体に対応できるかどうか、メーカーへ直接相談してみましょう。
一方、メーカーによっては製品のカスタマイズに対応しています。気になる方は、カスタマイズの可否も聞いてみましょう。
メーカーへ相談した後は、製品を検証をすることも大切です。2液混合ディスペンサーは、製品によって吐出精度や速度、液体の混合比率などが変わります。これらの違いは製品の生産効率や品質にも影響しますので、慎重に検証を進めましょう。
ある程度の検証が済んだら、実際に導入する2液混合ディスペンサーを決めましょう。いくつかのメーカー・製品をピックアップし、比較検討してみるのがおすすめです。吐出精度や速度はもちろん、操作性や導入後のメンテナンス性などもしっかりと考慮して選びましょう。
本サイトでは、目的別におすすめの2液混合ディスペンサーメーカーをご紹介しています。自社にあった2液混合ディスペンサー選びにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
2液混合ディスペンサーの導入には、液体の選定からメーカー相談・検証を経て、最終的に製品を比較して選ぶという流れがあります。液体や装置の適合性を十分に検討しないと、後に不具合やロスにつながるため、各ステップを丁寧に進めることが重要です。
特に、吐出精度や速度、メンテナンス性などは製品ごとに異なるため、慎重な検証と比較が欠かせません。なお、当サイトでは目的別に3選比較表をまとめていますので、メーカー選定の際はあわせてご活用ください。
液体の組み合わせによって必要なスペックが大きく異なる2液混合ディスペンサーだからこそ、使う目的によって装置を選ぶことが第一歩。
そのため、ここでは使用する環境や製造する製品から、適切な2液混合ディスペンサーをご紹介しています。
電子部品など
正確な吐出が必要なら
エイ・エム・ケイ |
大量生産品など
配合比がシンプルなら
ナカリキッドコントロール |
分析機器など
微量吐出を重視するなら
日本ソセー工業 |
|
製品名 | マゼダスDタイプ
![]() 引用元:エイ・エム・ケイ公式HP
(https://www.amk-j.co.jp/mazedas/d-type/) |
比率固定式HR-50
![]() 引用元:ナカリキッドコントロール公式HP
(https://www.nlc-dis.co.jp/products/double/hr50.html) |
STP-150
![]() 引用元:日本ソセー工業公式HP
(https://www.sosey.co.jp/product-list/supershot2/stp) |
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吐出精度
液体を吐出する精度を指します。メーカーによって保証値(カタログ上のスペック)と実績値が異なります。また、公表していないメーカーも中にはあります。 |
実績値:±0.1% (※吐出条件、樹脂仕様により要相談) |
高精度 ※詳細記載なし |
保証値:±1% |
混合比率
2液混合ディスペンサーで対応している主剤と硬化剤の割合のことです。主にミキサーとポンプの種類によって混合比率や調整の可否が変わります。 |
100:100~100:1 | 100:100~100:4 | 記載なし |
吐出速度
2液混合ディスペンサーが主剤と硬化剤を吐出するスピードのことです。カタログ上の吐出速度が速いと、ターゲットへスピーディに液体を吐出できます。 |
0.01ml/s~190ml/s | 記載なし | 0.0050ml/s~0.30ml/s |
適応粘度
2液混合ディスペンサーが対応している液体の粘度のことです。カタログと異なる粘度の液体を使用した場合、液だれやノズル詰まりなどを引き起こすおそれがあります。 |
1~100,000mPa・s/25℃ | 1~100,000 mPa・s/25℃ | ~200,000mPa・s |
吐出量
1秒間に吐出できる液体の量を指します。吐出量を細かくコントロールできる装置は精度が高く、製品の品質向上にも寄与します。 |
0.007ml/shot(1秒)~無制限 | 2.5~294 ml/shot | 記載なし |
吐出方式
液体を吐出する方法のことです。2液混合ディスペンサーは、連続的に液体をターゲットへ吐出する連続吐出と、その都度充填・吐出を行う間欠吐出があります。 |
連続吐出/ワンショット吐出/定量吐出/繰返し吐出/他機連動吐出 | 間欠吐出 | タイマー吐出/手動(連続)吐出 |
タンク容量
液体を貯めておくタンクの容量です。製品によって容量が大きく異なります。2液混合ディスペンサーは、主剤・硬化剤それぞれに独立したタンクがあります。 |
各15L・30L・50L・60L・ 80L・100L・200L ※A液・B液タンクの組み合わせは自由 |
20Lオープンタンク (ステンレス製) |
4L耐圧ガラスタンク×2基 |
公式HP
掲載の 対応液体例 2液混合ディスペンサーで利用できる液体の種類です。製品によって対応している液体の種類が異なるため、選定時はしっかり確認する必要があります。 |
記載なし | ||
【選定条件】
Googleで「混合吐出装置」と検索し(2024年5月16日調査時点)検索結果全ぺージに表示された公式HP14社、イプロスの「混合吐出機」ページ掲載企業の計18社を調査。
そのうち、2液混合ディスペンサーを扱う15社の中から、以下の条件で3製品を選定しています。
・マゼダスDタイプ…15社の製品のうち、吐出精度の保証値が±2~3%以内、実績値が±0.5%以内で最も高い2液混合ディスペンサー
・比率固定式HR-50…15社の製品のうち唯一、シンプルな構造により低価格化を実現と記載のある2液混合ディスペンサー
・STP-150…15社の製品のうち、吐出量が最も少ない2液混合ディスペンサー