液体を吐出する役割を持つ装置として挙げられるのがディスペンサーやポンプです。いずれも構造が似ており、産業分野で広く利用されていますが、基本的には異なる装置です。どちらを選ぶか迷った際は、用途や目的に合わせて選びましょう。
ここでは、ディスペンサーとポンプの主な違いや、それぞれの特徴について詳しく解説します。
ディスペンサーとポンプの主な違いは、吐出する液体を計量するかどうかといった点にあります。
ディスペンサーは、液体の計量を行うシステムや、吐出量・タイミングなどを制御するコントローラーが搭載されています。また、周辺機器としてノズルやタンクなどが設置されています。ディスペンサーはコントローラーと周辺機器が合わさり、ターゲットへ液体を指定量吐出する仕組みになっています。
一方のポンプは、圧力で液体を吐出する部品・装置のことをいいます。単体で使われるケースもありますが、ディスペンサーの中にも設置されるなど、他の装置と組み合わせて使うケースも見られます。なお、ディスペンサーに搭載されたタンクには、液体を計量する機構が備わっているものもあります。
ディスペンサーは、液体を計量してターゲットに吐出する装置のことです。液体の塗布や充填などに広く用いられています。ディスペンサーには以下のような種類があり、幅広い分野で活用されています。
このほか、JET式など多数の種類があります。
ポンプは、液体や気体などを圧力で押し出す部品や装置の総称です。主にターゲットへ液体や気体を注入・充填する際に利用されています。ポンプは容積計量方式が広く使われていますが、同方式には複数の種類があります。
液体を吐出・制御する方法がディスペンサーと異なります。
ディスペンサーとポンプはいずれも液体を吐出する装置ですが、ディスペンサーは「計量して制御する機能」を持ち、ポンプは「圧力で送る仕組み」が基本です。用途や目的に応じて選択することが重要です。
ディスペンサーは液量やタイミングを正確に制御し、充填・塗布など精密作業に活用されます。一方、ポンプは流体を送り出す汎用部品として利用され、種類ごとに構造や特性が異なります。
なお、導入時は作業内容に適した方式を比較検討することが効率化と品質向上につながります。
液体の組み合わせによって必要なスペックが大きく異なる2液混合ディスペンサーだからこそ、使う目的によって装置を選ぶことが第一歩。
そのため、ここでは使用する環境や製造する製品から、適切な2液混合ディスペンサーをご紹介しています。
電子部品など
正確な吐出が必要なら
エイ・エム・ケイ |
大量生産品など
配合比がシンプルなら
ナカリキッドコントロール |
分析機器など
微量吐出を重視するなら
日本ソセー工業 |
|
| 製品名 | マゼダスDタイプ
![]() 引用元:エイ・エム・ケイ公式HP
(https://www.amk-j.co.jp/mazedas/d-type/) |
比率固定式HR-50
![]() 引用元:ナカリキッドコントロール公式HP
(https://www.nlc-dis.co.jp/products/double/hr50.html) |
STP-150
![]() 引用元:日本ソセー工業公式HP
(https://www.sosey.co.jp/product-list/supershot2/stp) |
|---|---|---|---|
吐出精度
液体を吐出する精度を指します。メーカーによって保証値(カタログ上のスペック)と実績値が異なります。また、公表していないメーカーも中にはあります。 |
実績値:±0.1% (※吐出条件、樹脂仕様により要相談) |
高精度 ※詳細記載なし |
保証値:±1% |
混合比率
2液混合ディスペンサーで対応している主剤と硬化剤の割合のことです。主にミキサーとポンプの種類によって混合比率や調整の可否が変わります。 |
100:100~100:1 | 100:100~100:4 | 記載なし |
吐出速度
2液混合ディスペンサーが主剤と硬化剤を吐出するスピードのことです。カタログ上の吐出速度が速いと、ターゲットへスピーディに液体を吐出できます。 |
0.01ml/s~190ml/s | 記載なし | 0.0050ml/s~0.30ml/s |
適応粘度
2液混合ディスペンサーが対応している液体の粘度のことです。カタログと異なる粘度の液体を使用した場合、液だれやノズル詰まりなどを引き起こすおそれがあります。 |
1~100,000mPa・s/25℃ | 1~100,000 mPa・s/25℃ | ~200,000mPa・s |
吐出量
1秒間に吐出できる液体の量を指します。吐出量を細かくコントロールできる装置は精度が高く、製品の品質向上にも寄与します。 |
0.007ml/shot(1秒)~無制限 | 2.5~294 ml/shot | 記載なし |
吐出方式
液体を吐出する方法のことです。2液混合ディスペンサーは、連続的に液体をターゲットへ吐出する連続吐出と、その都度充填・吐出を行う間欠吐出があります。 |
連続吐出/ワンショット吐出/定量吐出/繰返し吐出/他機連動吐出 | 間欠吐出 | タイマー吐出/手動(連続)吐出 |
タンク容量
液体を貯めておくタンクの容量です。製品によって容量が大きく異なります。2液混合ディスペンサーは、主剤・硬化剤それぞれに独立したタンクがあります。 |
各15L・30L・50L・60L・ 80L・100L・200L ※A液・B液タンクの組み合わせは自由 |
20Lオープンタンク (ステンレス製) |
4L耐圧ガラスタンク×2基 |
公式HP
掲載の 対応液体例 2液混合ディスペンサーで利用できる液体の種類です。製品によって対応している液体の種類が異なるため、選定時はしっかり確認する必要があります。 |
記載なし | ||
【選定条件】
Googleで「混合吐出装置」と検索し(2024年5月16日調査時点)検索結果全ぺージに表示された公式HP14社、イプロスの「混合吐出機」ページ掲載企業の計18社を調査。
そのうち、2液混合ディスペンサーを扱う15社の中から、以下の条件で3製品を選定しています。
・マゼダスDタイプ…15社の製品のうち、吐出精度の保証値が±2~3%以内、実績値が±0.5%以内で最も高い2液混合ディスペンサー
・比率固定式HR-50…15社の製品のうち唯一、シンプルな構造により低価格化を実現と記載のある2液混合ディスペンサー
・STP-150…15社の製品のうち、吐出量が最も少ない2液混合ディスペンサー