2液混合ディスペンサーは優れた機器である反面、利用法を誤ったりメンテナンスを怠ったりすると計量ミスや樹脂の内部硬化といった様々な問題のリスクが増大します。
このページでは、2液混合ディスペンサーを適正に使用する欠かせない日常点検(始業前・終業後)のポイントをQ&A形式でまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
主剤や硬化剤の「液量(残量)」をチェックすると共に、液剤の「分離・フィラー(充填剤)の沈降」といった各種材料の状態を確認することが必要です。また液剤の状態に合わせて攪拌ユニットを作動させ、それぞれの液状を均一化させてから作業に移ることも大切です。
また前回の作業終了後から、今回の作業開始前までの間に液量が減少しているような場合、液漏れなどの問題が考えられるため、速やかに全体のチェックを行ってください。
2液混合ディスペンサーから規定の吐出量が安定して吐出されているか、電子天秤などを使って計量します。また、きちんと液剤の混合が行われているか、色むらの有無などをチェックすることも欠かせません。
試し打ちにより状態をしっかり把握することで、不良品の発生やロスの増大を防ぐことにつながります。
タンクからミキサー(混合部)、ポンプへ液剤を流し込む配管やチューブ、またパッキンやシール部などに関して液漏れや破損、にじみなどが発生していないか、全体の外観チェックを行いましょう。その他、駆動用メーターのエアー圧など、各部位の状態を示す値が正常値を示しているか確かめることも重要です。
もし何かしらの不具合や異常を確認した場合、2液混合ディスペンサーの使用を開始せず、先に点検や修理を行うことが結果的に全体の作業安定性を高めます。
ミキサーやノズルに液剤を残したまま放置すると、液剤が完全に硬化して2液混合ディスペンサーを使用できなくなる恐れがあります。そのためミキサーやノズルなどは使用後に毎回きちんと洗浄作業を行うことが必要です。流路が完全に閉塞した場合、大がかりな部品交換や修理費用が発生する恐れもあるでしょう。
洗浄作業には、例えば洗浄用の溶剤が入ったタンクから洗浄液を流路に注入して、残存する液剤を排出するといったものもありますが、その場合、当然ながら洗浄タンク内の液量が減少します。また、そもそも洗浄液が不足している状態で自動洗浄機能を使用しても、十分な洗浄が行われず、結果的に接着剤などが流路内で硬化してしまう事態を避けられません。
洗浄機能を使用する前と後で、適切な洗浄液の量が保たれているのかチェックし、不足していれば補充するといったメンテナンスは大切です。
なお、使い捨てのスタティックミキサーを使用している場合、適切に取り外して廃棄すると共に、ノズルなどを十分に清掃することが必要です。
ノズルの液だれや周辺の汚れを適切に除去した上で、専用のキャップやテープなどで密閉処理を行います。空気中の湿気に触れたり、乾燥したりすることでノズル内に残存する液剤が固着するといった恐れもあるため、適切な清掃作業と密閉作業はセットで行うようにしてください。
2液混合ディスペンサーは正しく使用することで様々なメリットを得られる機器ですが、一方で日常の点検を怠ったり誤った使い方をしたりすると、2液混合ディスペンサーの故障や作業品質の低下といったリスクやトラブルへ直結します。
そのため、2液混合ディスペンサーを使用する場合、始業前や終業後に行うメンテナンスや日常点検の項目をチェックシートなどによって可視化し、現場の作業マニュアルとして全員で共有・徹底するようにしましょう。
液体の組み合わせによって必要なスペックが大きく異なる2液混合ディスペンサーだからこそ、使う目的によって装置を選ぶことが第一歩。
そのため、ここでは使用する環境や製造する製品から、適切な2液混合ディスペンサーをご紹介しています。
電子部品など
正確な吐出が必要なら
エイ・エム・ケイ |
大量生産品など
配合比がシンプルなら
ナカリキッドコントロール |
分析機器など
微量吐出を重視するなら
日本ソセー工業 |
|
| 製品名 | マゼダスDタイプ
![]() 引用元:エイ・エム・ケイ公式HP
(https://www.amk-j.co.jp/mazedas/d-type/) |
比率固定式HR-50
![]() 引用元:ナカリキッドコントロール公式HP
(https://www.nlc-dis.co.jp/products/double/hr50.html) |
STP-150
![]() 引用元:日本ソセー工業公式HP
(https://www.sosey.co.jp/product-list/supershot2/stp) |
|---|---|---|---|
吐出精度
液体を吐出する精度を指します。メーカーによって保証値(カタログ上のスペック)と実績値が異なります。また、公表していないメーカーも中にはあります。 |
実績値:±0.1% (※吐出条件、樹脂仕様により要相談) |
高精度 ※詳細記載なし |
保証値:±1% |
混合比率
2液混合ディスペンサーで対応している主剤と硬化剤の割合のことです。主にミキサーとポンプの種類によって混合比率や調整の可否が変わります。 |
100:100~100:1 | 100:100~100:4 | 記載なし |
吐出速度
2液混合ディスペンサーが主剤と硬化剤を吐出するスピードのことです。カタログ上の吐出速度が速いと、ターゲットへスピーディに液体を吐出できます。 |
0.01ml/s~190ml/s | 記載なし | 0.0050ml/s~0.30ml/s |
適応粘度
2液混合ディスペンサーが対応している液体の粘度のことです。カタログと異なる粘度の液体を使用した場合、液だれやノズル詰まりなどを引き起こすおそれがあります。 |
1~100,000mPa・s/25℃ | 1~100,000 mPa・s/25℃ | ~200,000mPa・s |
吐出量
1秒間に吐出できる液体の量を指します。吐出量を細かくコントロールできる装置は精度が高く、製品の品質向上にも寄与します。 |
0.007ml/shot(1秒)~無制限 | 2.5~294 ml/shot | 記載なし |
吐出方式
液体を吐出する方法のことです。2液混合ディスペンサーは、連続的に液体をターゲットへ吐出する連続吐出と、その都度充填・吐出を行う間欠吐出があります。 |
連続吐出/ワンショット吐出/定量吐出/繰返し吐出/他機連動吐出 | 間欠吐出 | タイマー吐出/手動(連続)吐出 |
タンク容量
液体を貯めておくタンクの容量です。製品によって容量が大きく異なります。2液混合ディスペンサーは、主剤・硬化剤それぞれに独立したタンクがあります。 |
各15L・30L・50L・60L・ 80L・100L・200L ※A液・B液タンクの組み合わせは自由 |
20Lオープンタンク (ステンレス製) |
4L耐圧ガラスタンク×2基 |
公式HP
掲載の 対応液体例 2液混合ディスペンサーで利用できる液体の種類です。製品によって対応している液体の種類が異なるため、選定時はしっかり確認する必要があります。 |
記載なし | ||
【選定条件】
Googleで「混合吐出装置」と検索し(2024年5月16日調査時点)検索結果全ぺージに表示された公式HP14社、イプロスの「混合吐出機」ページ掲載企業の計18社を調査。
そのうち、2液混合ディスペンサーを扱う15社の中から、以下の条件で3製品を選定しています。
・マゼダスDタイプ…15社の製品のうち、吐出精度の保証値が±2~3%以内、実績値が±0.5%以内で最も高い2液混合ディスペンサー
・比率固定式HR-50…15社の製品のうち唯一、シンプルな構造により低価格化を実現と記載のある2液混合ディスペンサー
・STP-150…15社の製品のうち、吐出量が最も少ない2液混合ディスペンサー