高性能な2液混合ディスペンサーを購入したとしても、液剤の条件を適切に調整して適正な吐出を叶えるための周辺機器がなければ十分な性能は発揮できません。このページでは2液混合ディスペンサーで重要な周辺機器についてまとめています。
現在は各メーカーから優秀な2液混合ディスペンサーが開発・提供されており、様々な業界や生産現場において幅広く活用されています。しかし、2液混合ディスペンサーが本来の性能を発揮してニーズに合致した吐出能力を再現するためには、使用する液剤の条件や2液混合ディスペンサーの使用環境を常に安定化する「周辺機器」が不可欠です。
2液混合ディスペンサーの周辺機器には様々なものがあり、例えば温度変化による液剤の粘度変化を抑えるものや、気泡の混入を防ぐもの、成分の分離を防止するためのものなど、使用する液剤や作業環境によっても必要な製品は変わります。
そのため2液混合ディスペンサーの活用には、自社の作業環境に合わせて必要な周辺機器をピックアップし、それらを不足なくそろえて液剤の状態を均一に保つことが大切です。
ここでは2液混合ディスペンサーにおいて一般的に必要とされる周辺機器として、代表的な4種をピックアップして解説していますので参考にしてください。
真空脱泡機は、シリンジ内を真空状態にすることで液剤の気泡を除去し、スムーズな吐出を叶えるために使用される周辺機器です。特に粘度の高い液剤を使用する場合や、それらを攪拌ユニットで混合するような場合、通常の状態では気泡が発生してしまって安定した吐出量を再現することが困難になります。
一方、気泡の影響の少ない液剤を使用する場合は真空脱泡機が不要になることもあります。
液剤は温度が高くなると粘度が低下し、逆に低くなると上昇するため、安定した吐出量を保つためには常に一定の温度で液剤を調整することが必要です。
また、温度調節機能は対象を温めるものと冷やすもので分かれており、どちらを採用するのか、さらに温め方や冷やし方についても適切な選定をしなければなりません。
夏場や冬場に作業場の温度が変化するような場合はもちろん、温めすぎたり冷やしすぎたりすることで液性が変わることもあるため、使用する液剤や作業環境を踏まえて機種選びを行ってください。
撹拌ユニット(アジテーター)は文字通り液剤を攪拌・混合するための装置です。2液混合ディスペンサーでは異なる性質の液剤を合わせて使用しますが、この際に十分な混合が行われなければ求める品質を再現することができません。
また、特にフィラー(充填剤)を使用するような場合、速やかな攪拌混合で全体が均一化されなければ、液剤の中にムラや硬化差が発生してしまう要因になります。その他、そもそも混ざりにくい液剤の分離を防ぐためにも攪拌ユニットは必要です。
シリンジ内の液剤の量を計測する装置が液面計(レベルセンサー)です。
2液混合ディスペンサーを使用する際、一方あるいは両方の液剤の量が不足していると、適切な量の混合や吐出が行えません。そのためシリンジ内の液量が一定基準まで減少すると、作業者に通知を行ったり、装置を停止させたりして不具合の発生を予防します。
液面計は作業の安定化を支える補助装置であると同時に、不良品を防止する安全装置とも言えるでしょう。
上記で紹介した4つの周辺機器は2液混合ディスペンサーの利用に重要な役割を果たすものであり、実際には生産環境や液剤の条件によって他にも色々な周辺機器や補助装置を使用することも少なくありません。
2液混合ディスペンサーを導入する際は、周辺機器も含めてトータルのプランニングを行いましょう。
液体の組み合わせによって必要なスペックが大きく異なる2液混合ディスペンサーだからこそ、使う目的によって装置を選ぶことが第一歩。
そのため、ここでは使用する環境や製造する製品から、適切な2液混合ディスペンサーをご紹介しています。
電子部品など
正確な吐出が必要なら
エイ・エム・ケイ |
大量生産品など
配合比がシンプルなら
ナカリキッドコントロール |
分析機器など
微量吐出を重視するなら
日本ソセー工業 |
|
| 製品名 | マゼダスDタイプ
![]() 引用元:エイ・エム・ケイ公式HP
(https://www.amk-j.co.jp/mazedas/d-type/) |
比率固定式HR-50
![]() 引用元:ナカリキッドコントロール公式HP
(https://www.nlc-dis.co.jp/products/double/hr50.html) |
STP-150
![]() 引用元:日本ソセー工業公式HP
(https://www.sosey.co.jp/product-list/supershot2/stp) |
|---|---|---|---|
吐出精度
液体を吐出する精度を指します。メーカーによって保証値(カタログ上のスペック)と実績値が異なります。また、公表していないメーカーも中にはあります。 |
実績値:±0.1% (※吐出条件、樹脂仕様により要相談) |
高精度 ※詳細記載なし |
保証値:±1% |
混合比率
2液混合ディスペンサーで対応している主剤と硬化剤の割合のことです。主にミキサーとポンプの種類によって混合比率や調整の可否が変わります。 |
100:100~100:1 | 100:100~100:4 | 記載なし |
吐出速度
2液混合ディスペンサーが主剤と硬化剤を吐出するスピードのことです。カタログ上の吐出速度が速いと、ターゲットへスピーディに液体を吐出できます。 |
0.01ml/s~190ml/s | 記載なし | 0.0050ml/s~0.30ml/s |
適応粘度
2液混合ディスペンサーが対応している液体の粘度のことです。カタログと異なる粘度の液体を使用した場合、液だれやノズル詰まりなどを引き起こすおそれがあります。 |
1~100,000mPa・s/25℃ | 1~100,000 mPa・s/25℃ | ~200,000mPa・s |
吐出量
1秒間に吐出できる液体の量を指します。吐出量を細かくコントロールできる装置は精度が高く、製品の品質向上にも寄与します。 |
0.007ml/shot(1秒)~無制限 | 2.5~294 ml/shot | 記載なし |
吐出方式
液体を吐出する方法のことです。2液混合ディスペンサーは、連続的に液体をターゲットへ吐出する連続吐出と、その都度充填・吐出を行う間欠吐出があります。 |
連続吐出/ワンショット吐出/定量吐出/繰返し吐出/他機連動吐出 | 間欠吐出 | タイマー吐出/手動(連続)吐出 |
タンク容量
液体を貯めておくタンクの容量です。製品によって容量が大きく異なります。2液混合ディスペンサーは、主剤・硬化剤それぞれに独立したタンクがあります。 |
各15L・30L・50L・60L・ 80L・100L・200L ※A液・B液タンクの組み合わせは自由 |
20Lオープンタンク (ステンレス製) |
4L耐圧ガラスタンク×2基 |
公式HP
掲載の 対応液体例 2液混合ディスペンサーで利用できる液体の種類です。製品によって対応している液体の種類が異なるため、選定時はしっかり確認する必要があります。 |
記載なし | ||
【選定条件】
Googleで「混合吐出装置」と検索し(2024年5月16日調査時点)検索結果全ぺージに表示された公式HP14社、イプロスの「混合吐出機」ページ掲載企業の計18社を調査。
そのうち、2液混合ディスペンサーを扱う15社の中から、以下の条件で3製品を選定しています。
・マゼダスDタイプ…15社の製品のうち、吐出精度の保証値が±2~3%以内、実績値が±0.5%以内で最も高い2液混合ディスペンサー
・比率固定式HR-50…15社の製品のうち唯一、シンプルな構造により低価格化を実現と記載のある2液混合ディスペンサー
・STP-150…15社の製品のうち、吐出量が最も少ない2液混合ディスペンサー