スペックの違いから選ぶ2液混合ディスペンサー『マゼルノ』 » 【タイプ別】2液混合ディスペンサー » 「低粘度向けタイプ」と「中〜高粘度向け専用タイプ」の選び方

「低粘度向けタイプ」と「中〜高粘度向け専用タイプ」の選び方

2液混合ディスペンサーといっても使用する液剤には様々な種類があり、材料の特徴や混合比によって適した製品も異なります。そのため2液混合ディスペンサーの比較検討を適切に行えるよう、まずは「低粘度向けタイプ」と「中〜高粘度向け専用タイプ」の特徴や違いについて把握しておきましょう。

なぜ粘度が問題なのか?

使用する液剤によって「粘度」が違う

液剤といっても、アクリルやウレタン、エポキシ、シリコンなど原料や材料によって液体としての特徴は様々です。加えて、例えば放熱性や導電性を有する粒子(フィラー)が含有されている液剤ではさらに粘度が高くなり、また沈降しやすいフィラーを全体へ拡散させるために2液混合ディスペンサー自体に十分な混合力が備わっていることも必要です。

粘度差による液剤の性質の違い

そもそも「粘度」とは液体の粘性を定量的に表した指標であり、SI単位では「Pa-s」やその千分の一を示す「mPa-s」で表記されます。粘度が高いほど液体は流れにくくなり、必然的に他の液体と混ざりにくくなり、また混合にもより大きな力が必要になります。

加えて、粘度が高い液剤を使うとノズルが詰まりやすくなったり、気泡が生じたり、発生した気泡が消えずに塗布品質が低下するなど様々な悪影響が生じやすくなることも課題です。

一方、水のようにさらさらとした液剤は粘度が低く流れやすい反面、逆流やバックフローが生じたり、吐出や塗布に際して想定外の滴下や垂れといった問題が発生しやすくなったりします。

そのため2液混合ディスペンサーを活用する際には、必ず使用する液剤の粘度に適合したタイプを導入した上で、実際の使用時に粘度に合わせた条件設定を適切に行わなければなりません。

低粘度向けタイプ

低粘度(数mPa-s~数Pa-s程度)の液剤の混合や吐出を想定しているタイプです。想定される液剤としては、例えばアクリル接着剤や低濃度のウレタン系樹脂、水で薄めた顔料、低粘度シリコンといったものがあります。

低粘度用ディスペンサーの特徴と技術例

要件 技術・条件
混合・流体制御 ギアポンプ式、精密ピストン式、電子制御バルブ制御型
吐出方式 連続吐出、定量吐出(ワンショット・繰返し)、間欠吐出
気泡対策 真空脱泡タンク、循環方式、圧力制御
制御精度 ±0.2~±0.5%程度(条件による)
ノズル種類 ニードル、マイクロノズル、精密吐出ノズル
洗浄性 ノズル自動洗浄機構など

※参照元:株式会社エイ・エム・ケイ https://c36rtwd2.lp-essence.com/#tab-1

メリット

低粘度向け対応は高速吐出や小容量吐出が可能であり、構造的にもシンプルなため導入コストが安価です。また洗浄やメンテナンスも比較的容易となります。

課題・注意点

高粘度の液剤の使用には適さず、液垂れや糸引き、滴下対策が必須です。また気泡混入や逆流のリスクがある他、混合した材料が分離しやすくなる場合もあります。

製品例

※参照元:株式会社エイ・エム・ケイ https://www.amk-j.co.jp/mazedas/

※参照元:ナカリキッドコントロール https://www.nlc-dis.co.jp/products/double/hr50.html

中〜高粘度向け専用タイプ

粘度の高い液剤の混合や吐出に対応した対応であり、「5,000mPa-s~数十万mPa・s」など幅広い粘度の液剤を使用可能です。液剤例としてはフィラー入りエポキシ樹脂や高濃度ウレタン系樹脂、シリコン充填剤、シール剤などが考えられます。

中〜高粘度向け専用タイプは基本的にモーター駆動の攪拌羽根を備えたダイナミックミキサー方式などの2液混合ディスペンサーとなります。

中〜高粘度用ディスペンサーの特徴と技術

要件 技術・条件
駆動方式 サーボピストン式、大口径ピストン、スクリューポンプ(回転式)
加熱/温調 液剤を加熱して粘度を下げて吐出しやすくする方式
混合方式 ダイナミックミキサー(攪拌混合)、強制撹拌方式、スパイラルミキサー
吐出制御 高圧対応、残圧吸引制御、反動防止設計
シール・耐圧設計 高圧シール、シール材選定、ボディ構造設計
洗浄性 高粘度洗浄液循環、逆流洗浄、洗浄時間短縮設計

※参照元:株式会社エイ・エム・ケイ https://c36rtwd2.lp-essence.com/#tab-1

メリット

幅広い粘度の液剤を高効率で攪拌・混合し、しっかりと吐出の際もスムーズな液剤の送り出しが可能です。また大型の2液混合ディスペンサーであれば一度に大量の液剤を処理することもできます。

課題・注意点

高粘度の液剤を攪拌したり吐出したりするため、温調装置や動力による混合機構が必須であり、本体やノズルにも高圧・高負荷に耐える設計が欠かせません。また装置のサイズやコストが大きくなりやすく、洗浄時には液剤が残りやすいためメンテナンスが大変といった課題もあります。

製品例

※参照元:株式会社エイ・エム・ケイ https://www.amk-j.co.jp/mazedas/

※参照元:日本ソセー工業 https://www.sosey.co.jp/product-list/supershot2/stp

2液混合ディスペンサーの選定最終ポイント

液剤の「粘度」に関して2液混合ディスペンサーの比較検討を行う際は、以下のポイントへ注意して選定を行ってください。

THREE SELECTIONS
目的別で失敗なく選ぶ
2液混合ディスペンサー3選
比較表

液体の組み合わせによって必要なスペックが大きく異なる2液混合ディスペンサーだからこそ、使う目的によって装置を選ぶことが第一歩。
そのため、ここでは使用する環境や製造する製品から、適切な2液混合ディスペンサーをご紹介しています。

▼左右にスクロールできます。
電子部品など
正確な吐出が必要なら
エイ・エム・ケイ
大量生産品など
配合比がシンプルなら
ナカリキッドコントロール
分析機器など
微量吐出を重視するなら
日本ソセー工業
製品名
マゼダスDタイプ
マゼダスDタイプ
引用元:エイ・エム・ケイ公式HP
(https://www.amk-j.co.jp/mazedas/d-type/)

公式HPで
スペック詳細をみる

電話で問合せる

比率固定式HR-50
非固定式HR-50
引用元:ナカリキッドコントロール公式HP
(https://www.nlc-dis.co.jp/products/double/hr50.html)

公式HPで
スペック詳細をみる

電話で問合せる

STP-150
STP-150
引用元:日本ソセー工業公式HP
(https://www.sosey.co.jp/product-list/supershot2/stp)

公式HPで
スペック詳細をみる

電話で問合せる

実績値:±0.1%
 (※吐出条件、樹脂仕様により要相談)
高精度
※詳細記載なし
保証値:±1%
100:100~100:1 100:100~100:4 記載なし
0.01ml/s~190ml/s 記載なし 0.0050ml/s~0.30ml/s
1~100,000mPa・s/25℃ 1~100,000 mPa・s/25℃ ~200,000mPa・s
0.007ml/shot(1秒)~無制限 2.5~294 ml/shot 記載なし
連続吐出/ワンショット吐出/定量吐出/繰返し吐出/他機連動吐出 間欠吐出 タイマー吐出/手動(連続)吐出
各15L・30L・50L・60L・
80L・100L・200L
※A液・B液タンクの組み合わせは自由
20Lオープンタンク
(ステンレス製)
4L耐圧ガラスタンク×2基
エポキシ
発泡ウレタン
ウレタン
シリコン
塗料
アクリル
発泡シリコン
インク他
一般的な樹脂からフィラーを含む樹脂
記載なし
ウレタン
エポキシ
シリコン
その他液体材料

エイ・エム・ケイの
公式HPで
吐出テストの相談をする

ナカリキッドコントロールの
公式HPで
吐出テストの相談をする

日本ソセー工業の
公式HPで
吐出テストの相談をする

【選定条件】
Googleで「混合吐出装置」と検索し(2024年5月16日調査時点)検索結果全ぺージに表示された公式HP14社、イプロスの「混合吐出機」ページ掲載企業の計18社を調査。
そのうち、2液混合ディスペンサーを扱う15社の中から、以下の条件で3製品を選定しています。
・マゼダスDタイプ…15社の製品のうち、吐出精度の保証値が±2~3%以内、実績値が±0.5%以内で最も高い2液混合ディスペンサー
・比率固定式HR-50…15社の製品のうち唯一、シンプルな構造により低価格化を実現と記載のある2液混合ディスペンサー
・STP-150…15社の製品のうち、吐出量が最も少ない2液混合ディスペンサー