ディスペンサーは多数の部品で構成されていますが、液体を吐出する役割を担っているのがディスペンサーノズルです。液体を正確に塗布したり充填したりするために欠かせない部品で、目的や用途に合わせて選ぶ必要があります。製品のクオリティにも関わりますので、適切なものをチョイスしましょう。
ディスペンサーノズルは、液体をターゲットへ吐出する働きを担っている部品のことをいいます。単にノズルと呼ばれる場合もありますが、液体の吐出や塗布の精度に大きく影響します。
また、ディスペンサーノズルは種類も多く、吐出する液体の粘度や特性に応じてさまざまな材質のものが用いられています。場合によっては特注のディスペンサーノズルもあるため、ひと括りにすることはできません。
このページでは、ディスペンサーノズルの特徴や主な種類、選び方などを詳しく解説します。

人工ルビーを先端に用いた高精度ノズルです。硬度と滑らかな内壁によってバリ・摩耗が発生しにくく、φ0.05 mm級の微細内径にも対応しています。価格は高価ですが、長寿命かつ安定した塗布径を長時間維持できるため、半導体やディスプレイなど歩留まりが重視される工程で採用されています。

高硬度のアルミナセラミックを精密加工したノズルで、バリが発生しない点が大きなメリット。薄肉設計やロングノズルにも対応でき、狭ピッチ部品や深い実装エリアへの塗布に最適です。ルビーノズルより価格を抑えながら高い安定性を得られます。
ステンレスや真鍮など金属を切削した汎用ノズルです。安価で調達しやすい反面、加工バリが残ると内径精度がばらつきやすく、定期的なメンテナンスや交換が必要です。一般産業用途や試作ラインで幅広く使われています。
ポリプロピレン(HDPE)などの樹脂を一体成型したディスポーザブル(使い捨て)ノズルです。先端へ向けて内径が徐々に細くなるテーパ形状により、高粘度材料でも背圧を抑えてスムーズに吐出できます。ゲージごとに色分けされており、素早いサイズ選定が可能です。
ステンレス針やPPチューブの平滑カット(鈍端)仕様ノズルです。ワークへのキズ付きを防ぎながら、エポキシやシリコーンなど高粘度接着剤を安定吐出できます。針長や内径バリエーションが豊富で、封止・コーティング用途で重宝します。
軟質PEやPTFEチューブを用いたノズルで、手で曲げられる柔軟性が特長です。プリント基板の立体実装や筐体内部など、直線ノズルでは届きにくい箇所へ角度を付けてアクセスできます。
2液性接着剤・樹脂を自動で静的混合するノズルです。内壁のヘリカルエレメントがABの2液を連続分割・反転させ、所定比率で完全混合します。デュアルカートリッジガンと組み合わせ、混合ムラを防ぎながらワンショットで吐出できるため現場の歩留まり改善に寄与します。
広範囲塗布やライン幅制御が必要なケースでは、スプレーノズルやブラシ一体型ノズルが用いられます。スプレータイプは薄膜コーティングやフラックス塗布に、ブラシタイプはフラックス+押し刷り込みのような同時作業に最適です。
ディスペンサーノズルは、使用する液体の種類に適合したものを選びましょう。ディスペンサーノズルは種類が多い反面、吐出する液体によって向き不向きが大きく異なります。また、液体そのものも粘度やノズルの材質への影響が変わりますので、適合品を選ぶことが大切です。
用途や目的もしっかり考慮しましょう。ディスペンサーノズルは、電子部品の製造に適したものもあれば、食品の製造現場向きのものなど多彩な種類があります。用途によって適性が変わるため、ディスペンサーノズルを購入する際は適合用途・目的も考慮しておきましょう。
液体の組み合わせによって必要なスペックが大きく異なる2液混合ディスペンサーだからこそ、使う目的によって装置を選ぶことが第一歩。
そのため、ここでは使用する環境や製造する製品から、適切な2液混合ディスペンサーをご紹介しています。
電子部品など
正確な吐出が必要なら
エイ・エム・ケイ |
大量生産品など
配合比がシンプルなら
ナカリキッドコントロール |
分析機器など
微量吐出を重視するなら
日本ソセー工業 |
|
| 製品名 | マゼダスDタイプ
![]() 引用元:エイ・エム・ケイ公式HP
(https://www.amk-j.co.jp/mazedas/d-type/) |
比率固定式HR-50
![]() 引用元:ナカリキッドコントロール公式HP
(https://www.nlc-dis.co.jp/products/double/hr50.html) |
STP-150
![]() 引用元:日本ソセー工業公式HP
(https://www.sosey.co.jp/product-list/supershot2/stp) |
|---|---|---|---|
吐出精度
液体を吐出する精度を指します。メーカーによって保証値(カタログ上のスペック)と実績値が異なります。また、公表していないメーカーも中にはあります。 |
実績値:±0.1% (※吐出条件、樹脂仕様により要相談) |
高精度 ※詳細記載なし |
保証値:±1% |
混合比率
2液混合ディスペンサーで対応している主剤と硬化剤の割合のことです。主にミキサーとポンプの種類によって混合比率や調整の可否が変わります。 |
100:100~100:1 | 100:100~100:4 | 記載なし |
吐出速度
2液混合ディスペンサーが主剤と硬化剤を吐出するスピードのことです。カタログ上の吐出速度が速いと、ターゲットへスピーディに液体を吐出できます。 |
0.01ml/s~190ml/s | 記載なし | 0.0050ml/s~0.30ml/s |
適応粘度
2液混合ディスペンサーが対応している液体の粘度のことです。カタログと異なる粘度の液体を使用した場合、液だれやノズル詰まりなどを引き起こすおそれがあります。 |
1~100,000mPa・s/25℃ | 1~100,000 mPa・s/25℃ | ~200,000mPa・s |
吐出量
1秒間に吐出できる液体の量を指します。吐出量を細かくコントロールできる装置は精度が高く、製品の品質向上にも寄与します。 |
0.007ml/shot(1秒)~無制限 | 2.5~294 ml/shot | 記載なし |
吐出方式
液体を吐出する方法のことです。2液混合ディスペンサーは、連続的に液体をターゲットへ吐出する連続吐出と、その都度充填・吐出を行う間欠吐出があります。 |
連続吐出/ワンショット吐出/定量吐出/繰返し吐出/他機連動吐出 | 間欠吐出 | タイマー吐出/手動(連続)吐出 |
タンク容量
液体を貯めておくタンクの容量です。製品によって容量が大きく異なります。2液混合ディスペンサーは、主剤・硬化剤それぞれに独立したタンクがあります。 |
各15L・30L・50L・60L・ 80L・100L・200L ※A液・B液タンクの組み合わせは自由 |
20Lオープンタンク (ステンレス製) |
4L耐圧ガラスタンク×2基 |
公式HP
掲載の 対応液体例 2液混合ディスペンサーで利用できる液体の種類です。製品によって対応している液体の種類が異なるため、選定時はしっかり確認する必要があります。 |
記載なし | ||
【選定条件】
Googleで「混合吐出装置」と検索し(2024年5月16日調査時点)検索結果全ぺージに表示された公式HP14社、イプロスの「混合吐出機」ページ掲載企業の計18社を調査。
そのうち、2液混合ディスペンサーを扱う15社の中から、以下の条件で3製品を選定しています。
・マゼダスDタイプ…15社の製品のうち、吐出精度の保証値が±2~3%以内、実績値が±0.5%以内で最も高い2液混合ディスペンサー
・比率固定式HR-50…15社の製品のうち唯一、シンプルな構造により低価格化を実現と記載のある2液混合ディスペンサー
・STP-150…15社の製品のうち、吐出量が最も少ない2液混合ディスペンサー