2液混合ディスペンサーは、主剤と硬化剤など性質の異なる2種類の液体を、所定の比率で精密に混合し、均一な状態で吐出する装置です。エポキシやウレタンなどの高機能材料を正確に混ぜて塗布・充填することで、電子部品の封止や基板保護、電源モジュールの絶縁など、品質と信頼性が求められる製造現場で不可欠な役割を担っています。
この装置は、混合比率や吐出量の高精度制御が可能で、硬化不良や材料ムラといった製品トラブルを未然に防ぎます。特に半導体・電装製品・電源業界では、微細かつ高密度な電子回路や部品の保護、耐熱・耐環境性の向上が求められるため、2液混合ディスペンサーの導入が進んでいます。
エイ・エム・ケイは、2液混合ディスペンサー「マゼダス」シリーズを展開し、電子基板への気泡のないエポキシ充填を実現しています。例えば、従来の大気充填では基板裏や部品下部に気泡が残りやすいという課題がありましたが、同社は真空注型と3軸ロボットノズルを組み合わせることで、多数個取りによる生産タクト向上と気泡ゼロの充填を両立しました。
「マゼダス」は、循環方式による高精度・安定混合、タッチパネル操作、吐出量・配合比のオートチューニングなど先進機能を備え、電子部品や発泡ウレタンなど精度が求められる用途にも対応。万一のトラブルにも迅速なサポート体制で現場の生産を止めない点も高く評価されています。
参照元:エイ・エム・ケイ公式HP(https://www.amk-j.co.jp/case/case02/)
武蔵エンジニアリングは、静的ミキサー・回転式ミキサー・JET方式など多様な2液混合ディスペンサーを提供し、半導体や電装製品の封止、接着、ポッティング用途で多くの導入実績があります。特に容積計量方式やモーノ方式による高精度吐出、ダイナミック混合方式による粘度差の大きい材料への対応など、材料特性に応じた最適なソリューションを提案しています。
参照元:武蔵エンジニアリング公式HP(https://www.musashi-engineering.co.jp/products/two-component-dispensing/)
参照元:武蔵エンジニアリング公式HP(https://www.musashi-engineering.co.jp/case.html)
武蔵エンジニアリングの
2液混合ディスペンサー
について詳しく知る
2液混合ディスペンサーは、半導体・電装製品・電源業界において、製品品質の向上と生産効率化を両立するために欠かせない装置です。エイ・エム・ケイや武蔵エンジニアリングの導入事例からも分かる通り、材料特性や用途に応じて最適な装置を選定し、正確な混合と吐出を実現することで、製造現場の課題解決と競争力強化に大きく貢献します。導入時は、材料特性や生産条件、サポート体制など多角的な視点で最適な製品を選びましょう。
液体の組み合わせによって必要なスペックが大きく異なる2液混合ディスペンサーだからこそ、使う目的によって装置を選ぶことが第一歩。
そのため、ここでは使用する環境や製造する製品から、適切な2液混合ディスペンサーをご紹介しています。
電子部品など
正確な吐出が必要なら
エイ・エム・ケイ |
大量生産品など
配合比がシンプルなら
ナカリキッドコントロール |
分析機器など
微量吐出を重視するなら
日本ソセー工業 |
|
| 製品名 | マゼダスDタイプ
![]() 引用元:エイ・エム・ケイ公式HP
(https://www.amk-j.co.jp/mazedas/d-type/) |
比率固定式HR-50
![]() 引用元:ナカリキッドコントロール公式HP
(https://www.nlc-dis.co.jp/products/double/hr50.html) |
STP-150
![]() 引用元:日本ソセー工業公式HP
(https://www.sosey.co.jp/product-list/supershot2/stp) |
|---|---|---|---|
吐出精度
液体を吐出する精度を指します。メーカーによって保証値(カタログ上のスペック)と実績値が異なります。また、公表していないメーカーも中にはあります。 |
実績値:±0.1% (※吐出条件、樹脂仕様により要相談) |
高精度 ※詳細記載なし |
保証値:±1% |
混合比率
2液混合ディスペンサーで対応している主剤と硬化剤の割合のことです。主にミキサーとポンプの種類によって混合比率や調整の可否が変わります。 |
100:100~100:1 | 100:100~100:4 | 記載なし |
吐出速度
2液混合ディスペンサーが主剤と硬化剤を吐出するスピードのことです。カタログ上の吐出速度が速いと、ターゲットへスピーディに液体を吐出できます。 |
0.01ml/s~190ml/s | 記載なし | 0.0050ml/s~0.30ml/s |
適応粘度
2液混合ディスペンサーが対応している液体の粘度のことです。カタログと異なる粘度の液体を使用した場合、液だれやノズル詰まりなどを引き起こすおそれがあります。 |
1~100,000mPa・s/25℃ | 1~100,000 mPa・s/25℃ | ~200,000mPa・s |
吐出量
1秒間に吐出できる液体の量を指します。吐出量を細かくコントロールできる装置は精度が高く、製品の品質向上にも寄与します。 |
0.007ml/shot(1秒)~無制限 | 2.5~294 ml/shot | 記載なし |
吐出方式
液体を吐出する方法のことです。2液混合ディスペンサーは、連続的に液体をターゲットへ吐出する連続吐出と、その都度充填・吐出を行う間欠吐出があります。 |
連続吐出/ワンショット吐出/定量吐出/繰返し吐出/他機連動吐出 | 間欠吐出 | タイマー吐出/手動(連続)吐出 |
タンク容量
液体を貯めておくタンクの容量です。製品によって容量が大きく異なります。2液混合ディスペンサーは、主剤・硬化剤それぞれに独立したタンクがあります。 |
各15L・30L・50L・60L・ 80L・100L・200L ※A液・B液タンクの組み合わせは自由 |
20Lオープンタンク (ステンレス製) |
4L耐圧ガラスタンク×2基 |
公式HP
掲載の 対応液体例 2液混合ディスペンサーで利用できる液体の種類です。製品によって対応している液体の種類が異なるため、選定時はしっかり確認する必要があります。 |
記載なし | ||
【選定条件】
Googleで「混合吐出装置」と検索し(2024年5月16日調査時点)検索結果全ぺージに表示された公式HP14社、イプロスの「混合吐出機」ページ掲載企業の計18社を調査。
そのうち、2液混合ディスペンサーを扱う15社の中から、以下の条件で3製品を選定しています。
・マゼダスDタイプ…15社の製品のうち、吐出精度の保証値が±2~3%以内、実績値が±0.5%以内で最も高い2液混合ディスペンサー
・比率固定式HR-50…15社の製品のうち唯一、シンプルな構造により低価格化を実現と記載のある2液混合ディスペンサー
・STP-150…15社の製品のうち、吐出量が最も少ない2液混合ディスペンサー