ドラム缶直結型2液混合ディスペンサーとは、材料となる液剤や薬剤の供給タンクとしてドラム缶を直接に接続した2液混合ディスペンサーであり、細かくカートリッジなどを交換しなくても大量の材料をまとめて使用できることがメリットです。
また材料費に関しても、少量を多数に分けて購入するより、ドラム缶などで大量一括購入する方が重量単価を抑えられるため、コスト削減に寄与します。
その他、フォロワープレート式ポンプであればドラム缶の内壁に残存した液剤をこそぎ落として使用できるため、材料のロスを削減し費用対効果を上昇可能です。
完全密閉されたドラム缶から直接にポンプアップするため、空気や不純物の混入を防ぎやすく、真空脱泡の手間も省略できます。また外気と隔離することで湿気による影響といった問題の防止に役立つこともメリットです。
ペール缶から供給タンクへ材料を移し替える作業や、開封された有機溶剤の容器を付け替える作業が不要になり、作業員の肉体的負担を軽減したり労働災害の防止に貢献したりといったメリットも見逃せません。
ドラム缶直結型2液混合ディスペンサーの導入時に発生する問題として、まずイニシャルコストが挙げられます。
ドラム缶直結型2液混合ディスペンサーは一般の2液混合ディスペンサーと比較して大型であり、それに合わせて堅牢なフレームや昇降リフトなども用意しなければなりません。また、設置スペースも相応に必要なため、狭い現場では導入後の作業動線が圧迫される恐れもあります。
ドラム缶と2液混合ディスペンサーをつなぐ配管が太く長くなり、別の材料へ切り換える時の洗浄や交換作業が難しくなります。そのため原則として単一材料の専用機になり、他の材料を使用しにくくなることはデメリットです。
またヒーターの故障や操作ミスによる材料硬化などが発生すると、復旧まで時間がかかる上、廃棄ロスによる損失も大きくなります。
大きなドラム缶を採用する場合、どうしても内部の攪拌が難しくなります。そのため、ドラム缶の中に比重の大きなフィラーなどが入っている場合、それらが底に沈殿して層が形成され、材料の濃度が変化する可能性もあるでしょう。
ドラム缶直結型2液混合ディスペンサーは以下のような現場で導入が適しています。
ドラム缶から主剤や硬化剤などを吸引し、2液混合ディスペンサーへ圧送する強力なポンプが必要です。
液剤を適正に計量して混合するためのユニットも欠かせません。一般的には容積計量方式が採用されます。
混合ユニットで計量された異種の液剤をノズル内部で混合する部位です。使い捨てのスタティックミキサーであれば洗浄によるデメリットを防ぎ、材料硬化によるつまりなども回避しやすくなります。
混合した液剤を吐出するための装置や、吐出量を手動でコントロールする部分です。
混合攪拌や吐出などを自動化する場合、吐出量や混合比率、吐出のタイミングなどを設定・制御するための制御盤や制御装置も必要となります。
特定の材料を大量に扱い、また作業員の負担や品質低下リスクなどを防ぎたいといったニーズに対しては、材料の入ったドラム缶を直接に2液混合ディスペンサーへ接続できるドラム缶直結型2液混合ディスペンサーがおすすめです。
ただし、2液混合ディスペンサーのメリットを最大化するためには、あらかじめ自社のニーズや作業環境と、各種2液混合ディスペンサーの特徴のすり合わせが必要であり、まずは本サイトのTOPページにあるおすすめ2液混合ディスペンサー3選などを参考として、必要な製品の特徴やポイントをチェックしてください。
液体の組み合わせによって必要なスペックが大きく異なる2液混合ディスペンサーだからこそ、使う目的によって装置を選ぶことが第一歩。
そのため、ここでは使用する環境や製造する製品から、適切な2液混合ディスペンサーをご紹介しています。
電子部品など
正確な吐出が必要なら
エイ・エム・ケイ |
大量生産品など
配合比がシンプルなら
ナカリキッドコントロール |
分析機器など
微量吐出を重視するなら
日本ソセー工業 |
|
| 製品名 | マゼダスDタイプ
![]() 引用元:エイ・エム・ケイ公式HP
(https://www.amk-j.co.jp/mazedas/d-type/) |
比率固定式HR-50
![]() 引用元:ナカリキッドコントロール公式HP
(https://www.nlc-dis.co.jp/products/double/hr50.html) |
STP-150
![]() 引用元:日本ソセー工業公式HP
(https://www.sosey.co.jp/product-list/supershot2/stp) |
|---|---|---|---|
吐出精度
液体を吐出する精度を指します。メーカーによって保証値(カタログ上のスペック)と実績値が異なります。また、公表していないメーカーも中にはあります。 |
実績値:±0.1% (※吐出条件、樹脂仕様により要相談) |
高精度 ※詳細記載なし |
保証値:±1% |
混合比率
2液混合ディスペンサーで対応している主剤と硬化剤の割合のことです。主にミキサーとポンプの種類によって混合比率や調整の可否が変わります。 |
100:100~100:1 | 100:100~100:4 | 記載なし |
吐出速度
2液混合ディスペンサーが主剤と硬化剤を吐出するスピードのことです。カタログ上の吐出速度が速いと、ターゲットへスピーディに液体を吐出できます。 |
0.01ml/s~190ml/s | 記載なし | 0.0050ml/s~0.30ml/s |
適応粘度
2液混合ディスペンサーが対応している液体の粘度のことです。カタログと異なる粘度の液体を使用した場合、液だれやノズル詰まりなどを引き起こすおそれがあります。 |
1~100,000mPa・s/25℃ | 1~100,000 mPa・s/25℃ | ~200,000mPa・s |
吐出量
1秒間に吐出できる液体の量を指します。吐出量を細かくコントロールできる装置は精度が高く、製品の品質向上にも寄与します。 |
0.007ml/shot(1秒)~無制限 | 2.5~294 ml/shot | 記載なし |
吐出方式
液体を吐出する方法のことです。2液混合ディスペンサーは、連続的に液体をターゲットへ吐出する連続吐出と、その都度充填・吐出を行う間欠吐出があります。 |
連続吐出/ワンショット吐出/定量吐出/繰返し吐出/他機連動吐出 | 間欠吐出 | タイマー吐出/手動(連続)吐出 |
タンク容量
液体を貯めておくタンクの容量です。製品によって容量が大きく異なります。2液混合ディスペンサーは、主剤・硬化剤それぞれに独立したタンクがあります。 |
各15L・30L・50L・60L・ 80L・100L・200L ※A液・B液タンクの組み合わせは自由 |
20Lオープンタンク (ステンレス製) |
4L耐圧ガラスタンク×2基 |
公式HP
掲載の 対応液体例 2液混合ディスペンサーで利用できる液体の種類です。製品によって対応している液体の種類が異なるため、選定時はしっかり確認する必要があります。 |
記載なし | ||
【選定条件】
Googleで「混合吐出装置」と検索し(2024年5月16日調査時点)検索結果全ぺージに表示された公式HP14社、イプロスの「混合吐出機」ページ掲載企業の計18社を調査。
そのうち、2液混合ディスペンサーを扱う15社の中から、以下の条件で3製品を選定しています。
・マゼダスDタイプ…15社の製品のうち、吐出精度の保証値が±2~3%以内、実績値が±0.5%以内で最も高い2液混合ディスペンサー
・比率固定式HR-50…15社の製品のうち唯一、シンプルな構造により低価格化を実現と記載のある2液混合ディスペンサー
・STP-150…15社の製品のうち、吐出量が最も少ない2液混合ディスペンサー