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2液混合ディスペンサーの自動化トラブルと対策

近年の製造現場では、2液混合ディスペンサーをロボットや搬送装置と連動させ、自動化ラインの一部として稼働させるケースが増えています。しかし、便利さと効率向上の一方で、想定外の自動化トラブルが生じ、生産に影響を与えることがあります。

本稿では、2液混合ディスペンサーにおける自動化トラブルの症状や原因、放置によるリスク、現場でのチェック項目、具体的な解決策を詳しく解説します。

2液混合ディスペンサーの自動化トラブルとは?発生する症状と兆候

自動化トラブルとは、ディスペンサーが他の自動機や制御システムとうまく連携できず、予定どおりの動作ができなくなる現象です。症状としては「ロボットとの動作タイミングが合わない」「ワーク搬送位置と吐出位置がずれる」「制御信号が途切れて停止する」などが見られます。

兆候としては、タクトが徐々に乱れたり、制御画面にエラーが頻出したり、稼働ログに異常値が残るケースが挙げられます。

なぜ自動化トラブルが起こるのか—メカニズム解説

主要原因① 制御信号の不一致

PLCや外部制御との信号が正しく同期していないと、吐出タイミングがずれ、停止やエラーを引き起こします。通信規格の違いや設定ミスが典型的な要因です。

主要原因② 機械間の位置ずれ

ロボットや搬送装置との位置調整が不十分な場合、ワークと吐出位置が一致せず、自動化が成立しなくなります。機械設置後の微妙な振動や経年劣化でも発生することがあります。

主要原因③ センサーやカメラの誤検知

ワークの有無や位置を検知するセンサーが汚れや劣化で誤動作すると、自動化シーケンスが途切れます。カメラを使う場合も照明環境やレンズ汚れで認識率が低下することがあります。

放置するとどうなる?生産ラインへの影響

自動化トラブルを放置すると、生産ライン全体が頻繁に停止し、稼働率が大幅に低下します。特に自動化ラインは複数工程が連動しているため、1台のトラブルが全体を止めるボトルネックになります。さらに、オペレーターが介入して手作業で補う状況が続くと、生産効率の低下や品質ばらつきの増加につながり、投資した自動化の効果が損なわれます。

現場でまず確認すべき5項目

これらを確認することで、原因の切り分けと早期復旧がスムーズになります。

自動化トラブルを解決する方法

自動化トラブルへの対策は、制御系の安定化と設備間の調和を意識した取り組みが重要です。

制御信号の標準化

使用する制御信号や通信規格を統一し、設定を見直すことで同期不良を防げます。メーカー推奨の接続方法やPLCプログラムの確認も有効です。

精密な位置調整と定期キャリブレーション

ディスペンサーとロボットの位置関係を定期的にキャリブレーションすることで、位置ずれを防止できます。特に長時間稼働させる場合は定期点検を必須とすべきです。

センサー・カメラの安定化

検知精度を維持するために、センサー清掃やカメラの光学条件の調整を習慣化します。環境光や粉塵の影響を受けにくい仕様を選定することも効果的です。

冗長化・バックアップ体制の構築

重要工程ではセンサーを二重化する、異常時にはオペレーターが簡単に切替できる仕組みを用意するなど、バックアップ体制を整えることでリスクを軽減できます。

まとめ—自動化トラブルは早期対策が鍵

2液混合ディスペンサーの自動化トラブルは、制御信号の不一致、機械間の位置ずれ、センサー誤検知といった要因から発生します。これを放置すれば、ライン停止や品質ばらつきに直結し、投資した自動化の価値が失われます。

制御の標準化・位置調整・センサー安定化・冗長化といった対策を講じることで、自動化トラブルのリスクを大幅に軽減できます。早期の兆候に気づき、迅速に手を打つことが安定した自動化ラインの運用には欠かせません。

THREE SELECTIONS
目的別で失敗なく選ぶ
2液混合ディスペンサー3選
比較表

液体の組み合わせによって必要なスペックが大きく異なる2液混合ディスペンサーだからこそ、使う目的によって装置を選ぶことが第一歩。
そのため、ここでは使用する環境や製造する製品から、適切な2液混合ディスペンサーをご紹介しています。

▼左右にスクロールできます。
電子部品など
正確な吐出が必要なら
エイ・エム・ケイ
大量生産品など
配合比がシンプルなら
ナカリキッドコントロール
分析機器など
微量吐出を重視するなら
日本ソセー工業
製品名
マゼダスDタイプ
マゼダスDタイプ
引用元:エイ・エム・ケイ公式HP
(https://www.amk-j.co.jp/mazedas/d-type/)

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電話で問合せる

比率固定式HR-50
非固定式HR-50
引用元:ナカリキッドコントロール公式HP
(https://www.nlc-dis.co.jp/products/double/hr50.html)

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電話で問合せる

STP-150
STP-150
引用元:日本ソセー工業公式HP
(https://www.sosey.co.jp/product-list/supershot2/stp)

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実績値:±0.1%
 (※吐出条件、樹脂仕様により要相談)
高精度
※詳細記載なし
保証値:±1%
100:100~100:1 100:100~100:4 記載なし
0.01ml/s~190ml/s 記載なし 0.0050ml/s~0.30ml/s
1~100,000mPa・s/25℃ 1~100,000 mPa・s/25℃ ~200,000mPa・s
0.007ml/shot(1秒)~無制限 2.5~294 ml/shot 記載なし
連続吐出/ワンショット吐出/定量吐出/繰返し吐出/他機連動吐出 間欠吐出 タイマー吐出/手動(連続)吐出
各15L・30L・50L・60L・
80L・100L・200L
※A液・B液タンクの組み合わせは自由
20Lオープンタンク
(ステンレス製)
4L耐圧ガラスタンク×2基
エポキシ
発泡ウレタン
ウレタン
シリコン
塗料
アクリル
発泡シリコン
インク他
一般的な樹脂からフィラーを含む樹脂
記載なし
ウレタン
エポキシ
シリコン
その他液体材料

エイ・エム・ケイの
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ナカリキッドコントロールの
公式HPで
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日本ソセー工業の
公式HPで
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【選定条件】
Googleで「混合吐出装置」と検索し(2024年5月16日調査時点)検索結果全ぺージに表示された公式HP14社、イプロスの「混合吐出機」ページ掲載企業の計18社を調査。
そのうち、2液混合ディスペンサーを扱う15社の中から、以下の条件で3製品を選定しています。
・マゼダスDタイプ…15社の製品のうち、吐出精度の保証値が±2~3%以内、実績値が±0.5%以内で最も高い2液混合ディスペンサー
・比率固定式HR-50…15社の製品のうち唯一、シンプルな構造により低価格化を実現と記載のある2液混合ディスペンサー
・STP-150…15社の製品のうち、吐出量が最も少ない2液混合ディスペンサー