主剤・硬化剤などの液体を自動的に計量・混合したり、吐出したりする2液混合ディスペンサーは、ものづくり業界に限らず世界中のあらゆる分野で幅広く活躍しています。
しかし、例えば硬化剤や接着剤としてエポキシやウレタン、シリコンなどの2液性樹脂を使用するような環境では、樹脂の固着や混合方法といった課題から2液混合ディスペンサーも高性能なものになり、必然的に数十万円から数百万円の高額な製品価格になることも少なくありません。
加えて、2液混合ディスペンサーでは日常的なメンテナンスや消耗品の交換といったランニングコストも発生するため、長期的に運用する場合であればともかく、プロジェクト単位の短期利用を前提とした場合、コストパフォーマンスの観点から資産としての購入・導入は難しいという判断になることもあるでしょう。
そのため、2液混合ディスペンサーの導入に関しては自社資産として購入するのでなく、リースやレンタルといった導入方法を検討したいというニーズが生じることも自然な流れです。
自社購入せず、サービス会社が用意した製品や機器を利用するリースやレンタルといった方式ですが、それぞれに特徴や違いもあります。
リース契約は、一般的に中長期的な利用を前提としたサービスです。契約期間内は途中解約ができず、中小製造業などで長期的な量産ラインの構築や自動化をする際に有用です。
またレンタルに比べてコストを抑えやすく、税制上の優遇措置を活用できることもあります。なお利用の可否には審査があります。
リースに対して、レンタルは比較的短期利用を前提としたサービスです。そのため短期プロジェクトや期間限定イベントなどで利用しやすく、費用的にはリースより割高となるものの解約についても自由に行えます。
研究開発や試作開発、一時的な生産環境の拡張などに利用できます。
リースであれレンタルであれ、導入前に確認すべきポイントがあります。特にリースやレンタルといった活用法は契約後に不満が生じると、結果的に購入より費用対効果が悪化しやすいため、必ず詳細をチェックしなければなりません。
2液混合ディスペンサーを導入する際は、必ず対応する液剤の粘度や混合比率、性質などを確認することが重要です。特に、リースやレンタルは幅広い条件に対応できるよう汎用機が用意されており、特注機が必要な用途には適していません。
特注機や特殊設定が必要な場合、そもそもリースやレンタルが行えない場合もあります。
リースやレンタルは製品の所有者がサービス会社であり、どの範囲まで利用者が保守や保証の費用を負担するのか、消耗品の交換は料金の範囲内か否かといった点も事前にチェックしておきましょう。また利用者の過失で製品が損壊した際の賠償責任についても要確認です。
思いがけずプロジェクトが中止になることもあります。そのような際に、中途解約の可否や違約金の有無などは重要な項目です。
2液混合ディスペンサーを購入する場合、様々な補助金や助成金が活用できる一方、制度によってはリースやレンタルを補助対象外に設定していることもあります。
補助金を活用することで購入費用を抑えられることもあり、各種制度の条件や、制度を利用した上でのトータルコストを検討することが大切です。
2液混合ディスペンサーには様々な機種や導入方法がありますが、一般的にリースやレンタルで提供されるのは「汎用機」であることが多く、完全に自社ニーズへ適合できないケースも少なくありません。
短期のプロジェクトや一時的な検証(PoC)であればレンタル等も一つの手段ですが、中長期的な生産性やメンテナンス性、そして精度を重視するのであれば、自社の条件に合わせてカスタマイズされた「自社専用機」を導入(購入)することが、結果として最もトータルコストを抑え、高い費用対効果を生むことにつながります。
まずは「自社で扱う液剤や工程には、どのような仕様が必要なのか」を明確にすることから始めましょう。当サイトでは、豊富な実績を持ち、仕様の相談からアフターフォローまで信頼してお任せできるメーカーを厳選して紹介しています。
貴社に最適な導入プランを相談できる、信頼のパートナー探しにぜひお役立てください。
液体の組み合わせによって必要なスペックが大きく異なる2液混合ディスペンサーだからこそ、使う目的によって装置を選ぶことが第一歩。
そのため、ここでは使用する環境や製造する製品から、適切な2液混合ディスペンサーをご紹介しています。
電子部品など
正確な吐出が必要なら
エイ・エム・ケイ |
大量生産品など
配合比がシンプルなら
ナカリキッドコントロール |
分析機器など
微量吐出を重視するなら
日本ソセー工業 |
|
| 製品名 | マゼダスDタイプ
![]() 引用元:エイ・エム・ケイ公式HP
(https://www.amk-j.co.jp/mazedas/d-type/) |
比率固定式HR-50
![]() 引用元:ナカリキッドコントロール公式HP
(https://www.nlc-dis.co.jp/products/double/hr50.html) |
STP-150
![]() 引用元:日本ソセー工業公式HP
(https://www.sosey.co.jp/product-list/supershot2/stp) |
|---|---|---|---|
吐出精度
液体を吐出する精度を指します。メーカーによって保証値(カタログ上のスペック)と実績値が異なります。また、公表していないメーカーも中にはあります。 |
実績値:±0.1% (※吐出条件、樹脂仕様により要相談) |
高精度 ※詳細記載なし |
保証値:±1% |
混合比率
2液混合ディスペンサーで対応している主剤と硬化剤の割合のことです。主にミキサーとポンプの種類によって混合比率や調整の可否が変わります。 |
100:100~100:1 | 100:100~100:4 | 記載なし |
吐出速度
2液混合ディスペンサーが主剤と硬化剤を吐出するスピードのことです。カタログ上の吐出速度が速いと、ターゲットへスピーディに液体を吐出できます。 |
0.01ml/s~190ml/s | 記載なし | 0.0050ml/s~0.30ml/s |
適応粘度
2液混合ディスペンサーが対応している液体の粘度のことです。カタログと異なる粘度の液体を使用した場合、液だれやノズル詰まりなどを引き起こすおそれがあります。 |
1~100,000mPa・s/25℃ | 1~100,000 mPa・s/25℃ | ~200,000mPa・s |
吐出量
1秒間に吐出できる液体の量を指します。吐出量を細かくコントロールできる装置は精度が高く、製品の品質向上にも寄与します。 |
0.007ml/shot(1秒)~無制限 | 2.5~294 ml/shot | 記載なし |
吐出方式
液体を吐出する方法のことです。2液混合ディスペンサーは、連続的に液体をターゲットへ吐出する連続吐出と、その都度充填・吐出を行う間欠吐出があります。 |
連続吐出/ワンショット吐出/定量吐出/繰返し吐出/他機連動吐出 | 間欠吐出 | タイマー吐出/手動(連続)吐出 |
タンク容量
液体を貯めておくタンクの容量です。製品によって容量が大きく異なります。2液混合ディスペンサーは、主剤・硬化剤それぞれに独立したタンクがあります。 |
各15L・30L・50L・60L・ 80L・100L・200L ※A液・B液タンクの組み合わせは自由 |
20Lオープンタンク (ステンレス製) |
4L耐圧ガラスタンク×2基 |
公式HP
掲載の 対応液体例 2液混合ディスペンサーで利用できる液体の種類です。製品によって対応している液体の種類が異なるため、選定時はしっかり確認する必要があります。 |
記載なし | ||
【選定条件】
Googleで「混合吐出装置」と検索し(2024年5月16日調査時点)検索結果全ぺージに表示された公式HP14社、イプロスの「混合吐出機」ページ掲載企業の計18社を調査。
そのうち、2液混合ディスペンサーを扱う15社の中から、以下の条件で3製品を選定しています。
・マゼダスDタイプ…15社の製品のうち、吐出精度の保証値が±2~3%以内、実績値が±0.5%以内で最も高い2液混合ディスペンサー
・比率固定式HR-50…15社の製品のうち唯一、シンプルな構造により低価格化を実現と記載のある2液混合ディスペンサー
・STP-150…15社の製品のうち、吐出量が最も少ない2液混合ディスペンサー