一般的な2液混合ディスペンサーは、使用後に所定のメンテナンスを行わなくてはいけません。しかし、メンテナンスが簡単な製品を選べば、面倒な2液混合ディスペンサーのメンテナンス作業を省力化できます。
以下では、Googleで「混合吐出装置」と検索し(2024年5月16日調査時点)検索結果全ぺージに表示された公式HPと、イプロスの「混合吐出機」ページに掲載されていた企業の中から、「2液混合ディスペンサー」の取り扱いを確認できた15社を対象に調査を実施。
そのうち、メンテナンスが簡単に行える旨が記載されている2液混合ディスペンサーを取り扱っていた企業(9社)をご紹介します。
エイ・エム・ケイでは、メンテナンスフリーな2液混合ディスペンサー「マゼダス(MAZEDAS)」シリーズを展開しています。マゼダスは特許を取得した片液置換洗浄法を採用しており、洗浄溶剤なしでノズルを洗浄することが可能。洗浄作業そのものも簡単で、ボタンを押すだけで完了します。洗浄にかかる時間も数秒〜数十秒のため、メンテナンスに時間を取られずに済むのも魅力です。
エイ・エム・ケイの
2液混合ディスペンサーの
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三習工業の2液混合ディスペンサーの中には、自動洗浄機能を搭載したモデルがいくつかあります。ボタン一つでミキシング部からノズル先端までを自動で洗浄してくれるため、手作業で洗う必要がありません。また、自動洗浄作業はスピーディで、数十秒あれば終わるのもメリット。少ない手間と時間で済むメンテナンスフリー設計になっています。
三習工業の2液混合ディスペンサーの
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日本省力技術研究所では、ミキサー洗浄装置を備えた2液混合ディスペンサーを提供しています。こちらはオプション扱いになっていますが、導入することでミキシング部のメンテナンスの手間を軽減できます。また、ミキサーはクリーニング機構を備えており、ノズルの詰まりを抑止できる設計になっています。
日本省力技術研究所の
2液混合ディスペンサーの
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エムアンドケーの2液混合ディスペンサーは、無洗浄式パワーミキサー「WL-501型」がメンテナンスフリー設計になっています。溶剤による洗浄作業が不要なため、使用後のメンテナンスの手間を大幅に減らせるのがポイント。また、洗浄時に溶剤を使わずに済むことから、長い目で見るとメンテナンスコストの削減も期待できます。
エムアンドケーの
2液混合ディスペンサーの
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武蔵エンジニアリングでは、ミキシング部の洗浄・廃棄が不要なメンテナンスフリーモデルや、洗浄液圧送による洗浄機構を搭載した液混合ディスペンサーなどを提供しています。いずれのモデルもメンテナンス性に配慮しており、使用後の洗浄作業の手間を減らせるよう設計されているのが特徴。メンテナンス作業員の負担軽減も実現できます。
武蔵エンジニアリングの
2液混合ディスペンサーの
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ナカリキッドコントロールでは、ワンタッチ操作で作業後のメンテナンスを行える2液混合ディスペンサーを提供しています。ノズルを取り外して洗う必要がないため、気軽に利用できるのがメリット。また、洗浄レスのスタティックミキサーを選べるモデルや、洗浄液を使わずに済む使い捨てタイプのモデルなども用意されています。
ナカリキッドコントロールの
2液混合ディスペンサーの
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松下工業では、ポンプで高圧水をミキシング部に噴射する水洗浄式2液混合吐出装置や、自動洗浄機能を搭載した2液ウレタン混合吐出装置を取り揃えています。前者のモデルは、洗浄液タンクから供給される水道水を使うため、メンテナンスコストを抑えられるのがポイント。一方、後者のモデルはミキシング部のみの洗浄でよく、ボタンを押すだけで洗浄が完了します。
松下工業の2液混合ディスペンサーの
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レクシーでは、主に自動洗浄機能を搭載したメンテナンスフリーの2液混合ディスペンサーを提供しています。手作業による洗浄が不要なので、メンテナンスにかかる手間を削減できるのがメリット。一方、使い捨てのスタティックミキサーを採用し、溶剤・洗浄作業を不要にしたモデルもラインナップしています。
レクシーの2液混合ディスペンサーの
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日本ソセー工業の2液混合ディスペンサーは、主に使い捨てタイプの洗浄不要ミキサーを採用しています。ミキサー部を新品に交換するだけでよいため、使用後のメンテナンスの手間を削減することが可能。洗浄タイプの2液混合ディスペンサーとは違い、ミキサー部の洗い残しによるトラブルに悩まされる心配もありません。
液体の組み合わせによって必要なスペックが大きく異なる2液混合ディスペンサーだからこそ、使う目的によって装置を選ぶことが第一歩。
そのため、ここでは使用する環境や製造する製品から、適切な2液混合ディスペンサーをご紹介しています。
電子部品など
正確な吐出が必要なら
エイ・エム・ケイ |
大量生産品など
配合比がシンプルなら
ナカリキッドコントロール |
分析機器など
微量吐出を重視するなら
日本ソセー工業 |
|
製品名 | マゼダスDタイプ
![]() 引用元:エイ・エム・ケイ公式HP
(https://www.amk-j.co.jp/mazedas/d-type/) |
比率固定式HR-50
![]() 引用元:ナカリキッドコントロール公式HP
(https://www.nlc-dis.co.jp/products/double/hr50.html) |
STP-150
![]() 引用元:日本ソセー工業公式HP
(https://www.sosey.co.jp/product-list/supershot2/stp) |
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吐出精度
液体を吐出する精度を指します。メーカーによって保証値(カタログ上のスペック)と実績値が異なります。また、公表していないメーカーも中にはあります。 |
実績値:±0.1% (※吐出条件、樹脂仕様により要相談) |
高精度 ※詳細記載なし |
保証値:±1% |
混合比率
2液混合ディスペンサーで対応している主剤と硬化剤の割合のことです。主にミキサーとポンプの種類によって混合比率や調整の可否が変わります。 |
100:100~100:1 | 100:100~100:4 | 記載なし |
吐出速度
2液混合ディスペンサーが主剤と硬化剤を吐出するスピードのことです。カタログ上の吐出速度が速いと、ターゲットへスピーディに液体を吐出できます。 |
0.01ml/s~190ml/s | 記載なし | 0.0050ml/s~0.30ml/s |
適応粘度
2液混合ディスペンサーが対応している液体の粘度のことです。カタログと異なる粘度の液体を使用した場合、液だれやノズル詰まりなどを引き起こすおそれがあります。 |
1~100,000mPa・s/25℃ | 1~100,000 mPa・s/25℃ | ~200,000mPa・s |
吐出量
1秒間に吐出できる液体の量を指します。吐出量を細かくコントロールできる装置は精度が高く、製品の品質向上にも寄与します。 |
0.007ml/shot(1秒)~無制限 | 2.5~294 ml/shot | 記載なし |
吐出方式
液体を吐出する方法のことです。2液混合ディスペンサーは、連続的に液体をターゲットへ吐出する連続吐出と、その都度充填・吐出を行う間欠吐出があります。 |
連続吐出/ワンショット吐出/定量吐出/繰返し吐出/他機連動吐出 | 間欠吐出 | タイマー吐出/手動(連続)吐出 |
タンク容量
液体を貯めておくタンクの容量です。製品によって容量が大きく異なります。2液混合ディスペンサーは、主剤・硬化剤それぞれに独立したタンクがあります。 |
各15L・30L・50L・60L・ 80L・100L・200L ※A液・B液タンクの組み合わせは自由 |
20Lオープンタンク (ステンレス製) |
4L耐圧ガラスタンク×2基 |
公式HP
掲載の 対応液体例 2液混合ディスペンサーで利用できる液体の種類です。製品によって対応している液体の種類が異なるため、選定時はしっかり確認する必要があります。 |
記載なし | ||
【選定条件】
Googleで「混合吐出装置」と検索し(2024年5月16日調査時点)検索結果全ぺージに表示された公式HP14社、イプロスの「混合吐出機」ページ掲載企業の計18社を調査。
そのうち、2液混合ディスペンサーを扱う15社の中から、以下の条件で3製品を選定しています。
・マゼダスDタイプ…15社の製品のうち、吐出精度の保証値が±2~3%以内、実績値が±0.5%以内で最も高い2液混合ディスペンサー
・比率固定式HR-50…15社の製品のうち唯一、シンプルな構造により低価格化を実現と記載のある2液混合ディスペンサー
・STP-150…15社の製品のうち、吐出量が最も少ない2液混合ディスペンサー