製造現場での精密な材料混合と高品質な塗布工程を支える技術として、2液混合ディスペンサーの重要性がますます高まっています。特に高性能が求められる半導体や電源装置、さらに過酷な環境下での耐久性が不可欠な自動車部品の分野では、2液性接着剤や封止材の安定供給と正確な塗布が製品品質を大きく左右します。本ページでは、これらの業界における2液混合ディスペンサーの活用事例や導入メリットについて詳しくご紹介します。製造プロセスの自動化・省人化を進めたい企業担当者の方にとって、最適なヒントとなるはずです。
高精度かつ安定した材料供給を求められる半導体・電源業界において、2液混合ディスペンサーは工程品質の要となる存在です。封止材や絶縁材、熱伝導材などの2液性材料を正確に混合・吐出することで、製品の性能と信頼性を飛躍的に向上させることができます。たとえば、パワー半導体の封止では材料特性を最大限に引き出すことが求められ、微量吐出や均一塗布の再現性が不可欠です。自動化対応も進んでおり、省人化・工程短縮の実現にも貢献しています。高度化が進む電子機器分野で安定供給と品質確保を両立させるために、2液混合ディスペンサーの導入は極めて重要な意味を持ちます。
半導体・電装製品・電源事業における
2液混合ディスペンサー
について詳しく知る
自動車部品の生産現場では、安全性・耐久性を左右する接着や封止、シーリング工程で2液混合ディスペンサーが活躍しています。ECUやセンサー、LEDランプなどの電子部品には、熱や振動、水分からの保護が求められ、そのためのポッティング材や接着剤は多くが2液性です。ディスペンサーの導入により、人手による調合ミスや塗布ムラを防ぎ、工程の安定化と品質向上を実現。EV化が進む近年では、高性能で信頼性の高い接合が求められるため、導入メリットはさらに拡大しています。また、トレーサビリティ管理や自動化ラインとの連携にも対応できるシステムが求められており、2液混合ディスペンサーは次世代自動車製造における重要な技術のひとつといえるでしょう。
自動車部品業界における
2液混合ディスペンサー
について詳しく知る
半導体や電子基板といった電子部品の製造工程では放熱材料として液体金属や専用塗料などを使用します。一方、電子機器・制御機器は技術の進化と共に軽量化・小サイズ化が進んでおり、人間の手作業で液体金属の塗布などを行うことが困難なケースも少なくありません。
2液混合ディスペンサーは必要な液体を混合・攪拌し、任意の部位へ吐出・塗布できる他、非接触方式によってワークの破損リスクを軽減するなど様々なメリットを追求することが可能です。
産業用電子・制御機器事業における
2液混合ディスペンサー
について詳しく知る
蓄電池やコンデンサなどの製造工程では、製品内に専用の溶液を注入したり、容器の周囲を樹脂材でカバーしたりと色々な工程で複数の液剤や樹脂剤が活用されています。
2液混合ディスペンサーは2液性のウレタン樹脂などを活用し、主剤と硬化剤をその都度、混合しながらポッティング工程を自動化したり、産業用ロボットと組み合わせて生産管理をオートメーション化したりすることが可能です。また温度調節を適正化することで気泡の発生といったリスク軽減にも役立ちます。
蓄電池・コンデンサ事業における
2液混合ディスペンサー
について詳しく知る
工業用資材は工業分野の技術発展や製品の多様化に合わせてニーズが複雑化しており、常に安定した品質や性質を維持する上で人の手作業だけでは対応困難なケースも少なくありません。そのため現在の工業用資材業界では2液混合ディスペンサーを搭載した生産システムなども開発されており、システム導入によって解決できる経営課題も数多くあります。
まずは工業用資材業界の2液混合ディスペンサー導入事例やメリットをチェックしてみましょう。
工業用資材事業における
2液混合ディスペンサー
について詳しく知る
薬剤や溶剤の化学合成によって様々な物質や製品を生み出す化成品業界では、各種原料の精密な混合や吐出といった作業を再現するため、2液混合ディスペンサーのような産業機器が積極的に導入されています。
人の手作業では対応困難な工程や仕様でも、高性能の2液混合ディスペンサーであれば任意の配合比や溶剤を活用してプロセスを効率化できる点が強みであり、また環境負荷の軽減や作業環境の安全確保といったニーズにも対応可能です。
医療機器やそれに使用されるフィルターといった部品は、医薬品と並んで人体へ直接的・間接的に関与するものであり、必然的に開発や製造にも厳格な安全基準や品質基準が定められています。また医療機器の製造工程では人体に有害な有機溶剤などの液剤や劇薬などの液体試薬を使用することもあり、作業員に対する安全確保や労災対策も重要です。
医療機器業界において2液混合ディスペンサーは高精度な液体混合や安全な作業環境の維持に貢献しています。
フィルター事業・医療機器事業における
2液混合ディスペンサー
について詳しく知る
素材事業・環境事業業界は様々な地域やニーズにおける環境問題を解決し、廃棄物や汚染物などを再利用して新しい素材を生み出すなど、幅広い事業に取り組む領域です。また人体に有毒な素材や溶剤を利用する製造業において作業環境や労働環境の改善に寄与するといった用途もあり、環境分野において2液混合ディスペンサーは汎用的に活躍します。
素材事業・環境事業業界における2液混合ディスペンサーの導入事例やメリットをまとめました。
素材事業・環境事業における
2液混合ディスペンサー
について詳しく知る
建築工事などに用いられる建材や塗料、薬剤といった各種製品は、常に厳格な規格や仕様にもとづいて製造されていることが前提です。そのため様々な液剤を精密混合できる2液混合ディスペンサーは建装・建材業界でも活躍しています。同業界における2液混合ディスペンサーの導入事例やメリットをまとめました。
液体の組み合わせによって必要なスペックが大きく異なる2液混合ディスペンサーだからこそ、使う目的によって装置を選ぶことが第一歩。
そのため、ここでは使用する環境や製造する製品から、適切な2液混合ディスペンサーをご紹介しています。
電子部品など
正確な吐出が必要なら
エイ・エム・ケイ |
大量生産品など
配合比がシンプルなら
ナカリキッドコントロール |
分析機器など
微量吐出を重視するなら
日本ソセー工業 |
|
製品名 | マゼダスDタイプ
![]() 引用元:エイ・エム・ケイ公式HP
(https://www.amk-j.co.jp/mazedas/d-type/) |
比率固定式HR-50
![]() 引用元:ナカリキッドコントロール公式HP
(https://www.nlc-dis.co.jp/products/double/hr50.html) |
STP-150
![]() 引用元:日本ソセー工業公式HP
(https://www.sosey.co.jp/product-list/supershot2/stp) |
---|---|---|---|
吐出精度
液体を吐出する精度を指します。メーカーによって保証値(カタログ上のスペック)と実績値が異なります。また、公表していないメーカーも中にはあります。 |
実績値:±0.1% (※吐出条件、樹脂仕様により要相談) |
高精度 ※詳細記載なし |
保証値:±1% |
混合比率
2液混合ディスペンサーで対応している主剤と硬化剤の割合のことです。主にミキサーとポンプの種類によって混合比率や調整の可否が変わります。 |
100:100~100:1 | 100:100~100:4 | 記載なし |
吐出速度
2液混合ディスペンサーが主剤と硬化剤を吐出するスピードのことです。カタログ上の吐出速度が速いと、ターゲットへスピーディに液体を吐出できます。 |
0.01ml/s~190ml/s | 記載なし | 0.0050ml/s~0.30ml/s |
適応粘度
2液混合ディスペンサーが対応している液体の粘度のことです。カタログと異なる粘度の液体を使用した場合、液だれやノズル詰まりなどを引き起こすおそれがあります。 |
1~100,000mPa・s/25℃ | 1~100,000 mPa・s/25℃ | ~200,000mPa・s |
吐出量
1秒間に吐出できる液体の量を指します。吐出量を細かくコントロールできる装置は精度が高く、製品の品質向上にも寄与します。 |
0.007ml/shot(1秒)~無制限 | 2.5~294 ml/shot | 記載なし |
吐出方式
液体を吐出する方法のことです。2液混合ディスペンサーは、連続的に液体をターゲットへ吐出する連続吐出と、その都度充填・吐出を行う間欠吐出があります。 |
連続吐出/ワンショット吐出/定量吐出/繰返し吐出/他機連動吐出 | 間欠吐出 | タイマー吐出/手動(連続)吐出 |
タンク容量
液体を貯めておくタンクの容量です。製品によって容量が大きく異なります。2液混合ディスペンサーは、主剤・硬化剤それぞれに独立したタンクがあります。 |
各15L・30L・50L・60L・ 80L・100L・200L ※A液・B液タンクの組み合わせは自由 |
20Lオープンタンク (ステンレス製) |
4L耐圧ガラスタンク×2基 |
公式HP
掲載の 対応液体例 2液混合ディスペンサーで利用できる液体の種類です。製品によって対応している液体の種類が異なるため、選定時はしっかり確認する必要があります。 |
記載なし | ||
【選定条件】
Googleで「混合吐出装置」と検索し(2024年5月16日調査時点)検索結果全ぺージに表示された公式HP14社、イプロスの「混合吐出機」ページ掲載企業の計18社を調査。
そのうち、2液混合ディスペンサーを扱う15社の中から、以下の条件で3製品を選定しています。
・マゼダスDタイプ…15社の製品のうち、吐出精度の保証値が±2~3%以内、実績値が±0.5%以内で最も高い2液混合ディスペンサー
・比率固定式HR-50…15社の製品のうち唯一、シンプルな構造により低価格化を実現と記載のある2液混合ディスペンサー
・STP-150…15社の製品のうち、吐出量が最も少ない2液混合ディスペンサー